MAP経営指針 > ブレない快感──50歳ですから

2012年9月6日、社長のわたしが50歳になってしまった記念として「第三創業プラン」の発表会を開きました。 孔子の論語では「50にして天命を知る」ということになっていますが、わたしの場合は10年ほど遅れてようやく「惑わず」あたりに到達できたしょうか。 いまは、自分がブレていない快感がありますよ。

ブレない快感──50歳ですから

伝えたいことがあるのに、
どうもうまく言えない。
そんなもどかしさが慢性的にありました。
業績がよくてちゃんと利益を出していても、
自分らしくないことをやらされている感じがしたり、
身近なパートナーと衝突して組織がギクシャクしたり。
で、
なんかちがうな
ってやつ。
ばくぜんとブレている気がするけど、
どうも抽象的で何がどうなのかわからない‥‥
こういう経験はどなたにもおありでしょう。
逆に、
事業が軌道に乗ってなくて、
クタクタになるまで働きづめなんだけれど、
気分はスカッとしている‥‥
ってことがあります。
見えている感じがする。
まわりからとやかく言われても迷いなく、
>うん、そうそう。これでいい。
って、
スッキリ思えている状態。
わたしが50歳になってしまいました記念
として発表した「第三創業プラン」には、
そんなふうなブレをひとつ残らずクリーンナップする狙いがありました。
結果として、
いまはカタルシスゥ~にスッキリしています。
もともと過去4期分の経営指針書があるんですから、
ブレは少なかったんですけど、
まだ「なんかちがうな」が残ってましたから。
‥‥というか、
やはり定期的にマクロな視点で点検しないと、
ちょっとずつズレてくるもんなんでしょう。
自分(自社)の立ち位置をハッキリさせた。
>なぜ、わたし(わが社)はこの事業をしているのか?
>そもそもなんのために経営しているのか?
>どんな会社をつくりたいのか?

そういう問いかけに真剣に答えていくと、
いろいろ自己矛盾に出遭うわけですが、
そこでその矛盾をつぶしていくために、
自社事業を再定義したり、
理念や目的を見つめ直したりしていくと、
アタマもマインドも冴えてきて気持ちがよくなる。
>これはもうやめてしまおう。
という項目も、
いくつか洗い出されます。
経営資源(ヒトやカネ)はかぎられていますから、
何かをやめると同時に何かを新たに始める意思決定に迫られますが、
ブレてなければ勇気が出ます。
ワクワク楽しい期間でした。
ウェブサイトも6年ぶりにリニューアルすることになりました。
自社事業を再定義していくうちに、
細胞分裂(サイボウブンレツ)
が起こり、
これから取り組む事業が3つに区別された。
サイトがひとつ増えることになった。
こういうふうに心が整ってくると、
だいたいなにをやってもうまくいくでしょう。
新しい事業をひとつやることに決めました。
「われわれの事業は何か、何になるか、何であるべきか」を決定するうえで不可欠のステップとなるものが、既存の製品、サービス、工程、市場、最終用途、流通チャネルの分析である。
「それらのものは、今日も有効か、明日も有効か」「今日顧客に価値を与えているか、明日も顧客に価値を与えるか」「今日の人口、市場、技術、経済の実態に合っているか。 合っていないならば、いかにして廃棄するか、あるいは少なくとも、いかにしてそれらに資源や努力を投ずることを中止するか」
 この問いを体系的かつ真剣に問わないかぎり、またこれらの問いに対する答えに従って行動しないかぎり、「われわれの事業は何か、何になるか、何であるべきか」との問いに対して最善の定義を下したとしても、 単に立派な手続きを経たにすぎない。エネルギーは昨日を防衛するために使われる。 そして誰も、明日をつくるためどころか、今日を開拓するために働く時間も、資源も、意欲も持ちえないことになる。
 事業を定義することは難しい。苦痛は大きく、リスクも大きい。 しかし事業の定義があって初めて、目標を設定し、戦略を発展させ、資源を集中し、行動を開拓することができる。業績をあげるべくマネジメントできるようになる。
P・F・ドラッカー「[エッセンシャル版]マネジメント──基本と原則」より
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第三創業プランの発表にあたって

※これは当社の「第三創業プラン」(臨時増発ミニ経営指針書)からの抜粋で、 基本的には社内文書なのですが、他社さんでも役立てていただければ嬉しいので積極的に公開しています。


これまで、12期から15期までの各期首に4回、経営指針書を作成し、設立記念日の1月16日を選んで発表会を開いてきました。 が、2012年9月6日は、社長のわたしが50歳になってしまう人生の節目ということで、特に強く「変化」を意識しながら、臨時の指針書を作りました。
 ですので、このたびの「第三創業プラン」では次のことをこれまで以上に心がけました。初めて言うこともいくつかあります。 もし、ここでやりきれなければ、次の「第16期経営指針書」の中でまた試みます。
  • 「どんな会社にしたいか」「どんな会社になるか」を全員で共有できるまで伝えきること。
  • 事業承継を含め、5年先、10年先のわが社の姿を可能なかぎり具体的に描くこと。
  • われわれの事業は何か、何になるか、を、はっきり示すこと。
  • 新分野の事業にチャレンジすることを決め、失敗を恐れず実行すると約束すること。
  • 組織をつくっていく意志を固めること。

 当社は、「データベース処理技術」を強みとする経営コンサルタントとして創業、1998年に会社設立しました。 「IT」という言葉もあまり浸透していないころは「システムコンサルタント」という肩書きを使っていたこともあります。 その後、事業ドメインを「ITシステム導入を中心とする経営コンサルタント業」と定義づけ、しばらく定着していました。 会社設立10周年となる2008年1月には、第二創業としてホームページ制作事業を開始し、 会社の事業を「中小企業IT活用支援事業」と「はやらせ屋事業」の2つに分類します。 (「中小企業IT活用支援」は後に「中小企業IT経営力強化支援」と名称変更。)
 しかし、やはり企業は人。 自分自身も含めた「人間づくり」からスタートする姿勢でないと、どうしても気持ちがスッキリしません。 一方ではITの技術がめまぐるしく進化し、自社のデータベース処理技術が他社と比べてダントツに強いとは言えなくなってきたという背景もあります。 2011年1月には、経営者として未熟すぎる自分自身への戒めをこめて、「人間活動に専念します」サイトをオープンしましたが、 そのころには会社の事業ドメインが混乱しはじめていました。
 経営者として取りかかるべき課題の順序から言うと、やはり人間づくりが一番というのが思いが強くありました。 ITは、商材としては大きな柱ではありましたが、しょせん小手先の道具にすぎないのです。 かつてはこのちょっとした小道具にも非常に大きな夢があり、これで会社が激変するというワクワク感がありました。 しかし現在は、あまりにも身の回りにITが氾濫しすぎていて、オンリーワン商材としての魅力は薄れてしまったと言わざるをえません。
 こうなることはたぶん、実ははじめからわかっていたことだったのかもしれませんが、 曲がりなりにも15年、この道具を売ってやってこられたから「次」があります。 本来は「先」だったものが「後」にまわったわけですが、そこに矛盾はありません。 「人間をつくる」というテーマは大きすぎて、創業当初には扱うことができませんでした。 しかし、できそこないの経営者として15年、力量不足だったからこそできた貴重な経験がたくさんあります。 50歳のオヤジになったいまだからこそわかる学びがたくさんあります。 それをこれから世の中のお役に立てていこうというのが、わたしの第三創業プランです。
2012年9月6日
第三創業680*355
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